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D90でシネUstに挑戦!-奮闘記まとめ

2011.04.23

シネUstとは、デジタル一眼レフやミラーレス一眼カメラのライブビューモード(以下LVモード)を使用してUstream配信をすることです。
それによって、普通のwebカメラでは到底なしえない映像クオリティで配信できます。
「まるで映画のよう!」なのでシネUst。
(と、私が勝手に解釈しています。発祥は恐らくヒマナイヌの川井さんと思われます。)

GF1やGH1,GH2あたりが色々な意味でシネUstにむいているみたいですが、持っていないんだから仕方がない。私は愛機D90で配信出来るか挑戦しています。
試行錯誤の連続ですが、ある程度ノウハウが溜まってきたので、もしシネUstに興味がある方がいれば参考になると思い、まとめます。
(D90を使う部分しか説明しませんので、ソフトのダウンロードや使用方法は詳しく解説しているサイトをご参照ください)

機材とソフト

D90→コンポジット出力→PCキャプチャボード→FMLE→Ustream

D90→HDMI出力→PCキャプチャボード→FMLE→Ustream

D90→USB出力→Smart Shooter→FMLE→Ustream

出力編

D90の出力は3種類。

左からコンポジット、HDMI、USBです。

接続方式 接続難易度 配信難易度 特徴
コンポジット D90付属ケーブルが使える。
アナログ画質。
HDMI ケーブルは別途用意。
やっぱり高画質。
HDMI入力はハードル高し。
USB 接続は余裕。
配信ソフトが大変。
便利だけど不便

こんなところでしょうか。
全然考えてませんでしたが、合計値がすべて「7」(笑)

コンポジット接続

コンポジット接続するためには、PCがコンポジット入力に対応している必要があります。「パソコンでテレビが見られる!」みたいな謳い文句があったPCならコンポジット入力できるかも。外付け機器でUSBタイプのものも多く販売されています。ここでは詳しく説明しませんので、「ビデオキャプチャ パソコン」なんかでググってください。

HDMI接続

PC側でHDMI入力に対応している必要があります。ほとんどのPCではついていませんので、キャプチャボードやUSBキャプチャを用意する必要があります。だから「難易度5」。


USB接続

接続はいたって簡単!付属(じゃなくてもいいけど)のUSBケーブルをカメラとPCに挿すだけ。

出力編

D90の出力は3種類。

カメラ設定編

LVモードの画面を配信するので、画面上に表示されている設定項目をどうにかしなくちゃいけません。この対処法が三者三様なんです。以下、設定方法とそれぞれの特徴を順に解説します。
ちなみに、LVモードは連続1時間で終了します。これはD90の仕様です。(だいぶ後半で解説している熱問題による仕様だと思います)
4/25追記: D90の後継機であるD7000ではLVモードが連続30分に短縮されています。やはり撮影素子への熱ダメージを考慮しての設計だそうです。(メーカーに確認しました)


各種設定

いったんLVモードにするとF値やシャッタースピードなどは(変更できるけど)反映されません。
露出値は変更するとリアル反映されます。


AE(オート露出)

LVモードでは露出設定が固定にできず強制的にAE(自動露出)になります。しかし、

・背面の「AE-L」ボタンを押し続けている時
・シャッターを半押しにしている時

この2つの状態の時はAEがロックされます。

AE-Lボタンというのは↑の赤丸のボタンです。

そこで!

こんなことや

こんなことをして対処。
ボタンの上にちっちゃいネジを置いてテープで固定しています。これで常に押された状態になるのでAEロックが効きます。原始的ぃ~!
が!!USB接続の場合は、この方法でAEロックされません…
現状、USB接続でのAEロックの方法は見つかっていません。誰か発見してください!


AFモード

LVでのAF設定は全部で3種類あります。
MENUから「カスタムメニュー」→「aオートフォーカス」→「a7ライブビュー時のAF」で一番影響のすくない「ノーマルエリアAF」にします。

もし人の顔が写らないのであれば「顔認識AF」がいいでしょう。ただ顔を認識すると、↑の写真のように黄色い枠が出てしまいます。顔認識AFにする時はその点が要注意です。写真などでも反応しますし誤認識もありえます。


フォーカスポイント

画面中央に出てくる赤い四角枠がフォーカスポイントです。
コンポジット、HDMIでは移動させて対処します。USBの場合はそもそも表示されません。

↑の赤丸のLockを解除(上にする)します。
すると十字ボタンでフォーカスポイントが変更できますので、ズズーっと左上まで持っていきます。ちょうど、モードの文字と被るところまで。

↑こんか感じで端っこに追いやりましょう。

では、それぞれの接続方式ごとにまとめていきます。


コンポジット接続

フォーカスポイント・・・消せない(移動はできる)
モード表示・・・消せない
設定項目・・・消せない(クロップで対応可)


HDMI接続


フォーカスポイント・・・消せない(移動はできる)
モード表示・・・消せない(クロップで対応可)
設定項目・・・消せない(クロップで対応可)

コンポジットに比べると画質が良い。モード表示が外に出るので、AF設定を「顔認識AF」にすれば一切の表示を消すことも可能です。(前述の黄色い枠問題は残るが)


USB接続

フォーカスポイント・・・出ない
モード表示・・・出ない
設定項目・・・出ない

USB接続は一切の情報が出ない!のでカメラ側の設定はいりません。
一見完璧のように見えますが、諸々の問題あり… 後述します。

PCソフト編

カメラの設定が終わりPCへ接続したら、次はソフトで映像を取り込み、いよいよ配信!
USBがややこしや。


コンポジット接続

Adobe Flash Media Live Encoder(以下FMLE)を起動し、「Video」欄の「Device」のタブから選択します。
カメラをLVモードにして、FMLEのプレビュー画面に表示されたら接続が上手にできています。
下の設定項目にある「Crop」にチェックを入れると、上のプレビュー画面に選択範囲が現れますので、ISOなどの設定項目が隠れるように範囲を調整します。
あるいは
TOP:22,BOTTOM:76,LEFT:26,RIGHT:24
と入力すると、私の環境ではジャストサイズです。
「Format」→「VP6」
「Frame Rate」→「24.00」
「Input Size」→「640×480」
このあたりは上の設定で問題ないでしょうが、映像の種類や配信環境によって適宜変更してください。


HDMI接続

FMLEでの設定はコンポジットと同じです。


USB接続

これはFMLEの前にひとつソフトを挟みます。
Smart Shooter
このソフトはカメラの操作をPC側で行う、いわゆるティザー撮影ソフトです。対応カメラも多く、Nikon・Canonユーザには便利。
ダウンロードはリンク先で。トライアル版では15shotまで試せます。今回は撮影目的ではないので実質制限はないですが、配信に使用するなら開発者への感謝を込めてお買い上げしましょう。4200円なり。
ティザー撮影ソフトはWinもMacもいくつか出ていますので検索してみてください。

カメラを接続すると機種名が表示されますので「Connect」をクリックし、「Live View」欄の「Enable」にチェックを入れるとLV画面が表示されます。
次にFMLEを起動し、画面キャプチャします。方法は「FMLE SCFH」なんかでググってください。
USB接続での配信は画面に映してるものをキャプチャ配信するのでPCのスペックが足りないとコマ落ちが発生します。Frame Rateを下げるなどして対応してください。
一番の問題点は、前述の通りAEロックが効かないこと…
人の動きなどでチラチラ露出が変わるので、けっこう気になります。これが固定できる方法があれば完璧に近いのに!
う~ん、気にしすぎ?見る人によるのかな。

熱問題

D90でのシネUstにおいて一番大きな問題といっても過言ではないのが熱問題です。
使用していると当然カメラ本体に熱がたまってくるのですが、この熱が上がると内部センサーが反応するようです。そしてLVモードが自動的に終了します。といってもいきなり終了するわけではなく、

このように30秒カウントダウンが始まります。この画像はコンポジット接続のものですが、HDMI接続でも画面の上に表示されます。USB接続の場合はカウントダウンされずにいきなり終了します。(カメラ内部ではカウントダウンしてるんでしょうが表示されません)

バッテリー駆動でのLVモード継続時間

コンポジット接続 49分15秒
HDMI接続 45分10秒
USB接続 1時間15分

(条件:バッテリーフル充電、カメラ起動してすぐ、室温低め、2回の平均)

USBの1時間越えというのは、LVモードの仕様限界である1時間をクリアしたあと、すぐに再開して継続測定した結果です。

バッテリーまわりに熱が溜まるのが原因だと思います。ですので、ACアダプタをつないで電源を外から供給すると回避できるのではなかろうかと考えてますが、ACアダプタ持ってないんです。。入手したら報告しますね。

まとめ

熱問題さえ回避できれば、あるいはカメラを2台用意できれば、D90(を含む一眼レフカメラ)でのUstream中継、使えるんじゃないでしょうか。

コンポジット接続が一番ハードルが低くて安定しています。接続環境さえ整えばHDMI接続が高画質。USB接続は設定非表示なのでスマート!AEロックが出来ればなぁ。。あとSmart Shooterの設定項目からWthite BalanceをLV中に変更できるのが個人的には高ポイントですね。あらかじめプリセットを登録しておくと色んな画作りができますので。

ホントどれも一長一短でまだ決め切れていないのが実情です。でもこうやって試行錯誤している時間も楽しいですよね。

では最後に、D90を使ったシネUstのアーカイブ放送を載せますのでぜひご覧ください。

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